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九州・ソロツーリング~指宿砂風呂~

■絶好の旅日和は唐突にやってきた

こんにちは。
ちょっと間があいてしまいましたが、前回の東北ツーリングから帰ってきた時に決めたと、
予告していたツーリング報告です。

・・・・

年が明けてバタバタして、あっという間に61歳の誕生日を迎え、娘の結婚と続き、
色んなお祝い行事がたて続いて起こりました。
ありがたい事ではあるのですが、全て無事に終了してホッと一段落。
桜も満開を迎え、まさに春爛漫。
そうです、忘れてはいません。
常に脳裏にあった次なる旅のイメージが、遂に実行するタイミングがきたのです。

その朝はまさに日本中が春に包まれて、気温も一気に上がっていました。
まさに昨日と一変した様子に、僕のスイッチが完全に入りました。

「よし今しかない、行ってしまおう!」

僕は基本的に着の身着のまま、現地調達のタイプ。
だから、身支度だって至って簡単。
往復走り抜いて全編3日間のイメージを描き、ササっと準備を済ませました。

もう心はあのホカホカの砂に埋もれている自分を想像してそわそわ。
そうです、東北ツーリングの続き、日本を味わう旅のその2です。
さあ鹿児島、指宿温泉・砂風呂に入りに行くぞ!!

■1日目 <4月8日(木)> 西宮~博多 走行約600km

穏やかな青空に暖かな陽差し、申し分のない気候の中、満開の桜に見送られながら、
午後2時半ごろ甲子園出発。
九州は車で何度か行っているので距離のイメージは出来ているし、
何より前回の東北ツーリングで、長距離の感じは充分想像出来ていましたから、
今日は余裕を持って、走れるところまで行こうと決めていました。

阪神高速・西宮ICから三木JC、そして山陽道へと乗り継ぎ、山陽道をただひたすら九州へ。
車では何度か通った事のある、懐かしいような景色。
山陽道の高速ワインディング走行を楽しむのは、このバイクは最適です。
天気もいいし気分もいい。
景色を楽しむというより、たっぷりとした排気量バイクが得意な高速コーナーを
幾つも越えてゆく楽しさは、また格別。
ひたすら走行を漠漠と楽しむ事にしばし夢中でした。

あっという間に岡山。給油の為、吉備SAに3時半くらいに立ち寄りました。
そうしている間にも、傾むきかけた陽差しは眩しく視界に飛び込んできます。
高速のロングツーリングならばフルフェイスのヘルメットと思っていたのですが、
今回はオフロード用のフルフェイスを選んだのは賢い選択でした。
ヒサシのついたヘルメットは、傾いた夕陽に向かって走るのにちょうど良い日よけになってくれました。

山陽道の山あいの澄んだ空気も心地良く暖かく、そこまでは全く寒さ知らずであったのですが、
広島から山口の間で太陽が沈み始めると同時に一気に気温が下がり始め、
山口と下関のあいだの山間部の外気温表示では、なんと5度。

Tシャツにバイクウェア(昼間は汗ばむほど暑かったので)では少し寒い。
ということで、グリップヒーターをオン!ありがたいですね。
これで当面の暖を取り走ること約30分。
インナーを着込む為に、北九州の吉志SAに駆け込んだのです。

ところが、取り出したインナーをササッと着てほっと一息するや、
小汚い若者が(ごめん!)、こんばんはと声をかけてきました。

寒いですねえ、僕、京都からヒッチハイクで沖縄めざしてるんです、と。

ヒッチハイクの流浪の果てに小汚い印象ではあったのですが、
彼の表情は若者らしく、生き生きとした感じで、僕は彼に好感を覚えました。
勤めていた会社に疑問があり辞めて、自分捜しの一人旅なのだという。
ヘルメットがあれば鹿児島まで乗せるのにとか言いながら、そこでしばらく話しをしました。
どういうわけか、僕は若者にモテるらしく、どこに行ってもこの調子です。
帰ったら遊びに来いよ、と言って別れ、出発しました。
(本当に遊びに来たら、また報告しますよ!)

もう九州、でも今日はあと少し走ろう・・・そんなところへポツポツ雨が。
よし、今日は博多に泊まろうと決め、小一時間ほどそのまま走り福岡ICで降り立ったのです。
そのまま地道で少し走り、博多駅前のよさげなホテルを適当に見つけ、
チェックインしたのは午後9時頃でした。
思い立ってあっという間の夜。
夜は短いとばかりに急いでシャワーを浴び、着替えて夜の博多の街へ。

さて、東北ツーリングでもお話ししたように、
もちろん見知らぬ土地で一件目に駆け込むのは寿司屋と決まっています。
タクシーの運転手に天神や中洲界隈の情報をサラリと聞き、少し街を歩いてちょっとしっかりした中洲の寿司屋に入りました。屋台じゃないですよ。
そこで、いつものように、店の大将とコミュニケーション。

『玄界灘の海の幸、とにかく旨いもん喰わしてくれ。お任せで。』
『はいはい。』

このやりとりがまたどう展開するかが楽しい。

その後、ジャズスポットの情報を店の若いスタッフに聞き出し、早速向かったのです。
(ちなみに、そのスタッフの若者が教えてくれたツールはiPhoneでした!)

一軒目、二軒目とはしごをし、居心地が良く、少し長居をしました。
その店のマスターは年配のピアニストで、
もう一人女性スタッフのピアニストとヴォーカリストというメンバー。
お客さんもどうやら演奏好きな感じの店でした。
そう、まるでウチ(Dog House)みたいやな、なんて思いながら。

そして、一番気に入った事は、選曲。
どんな曲がお好きですかと訊ねられたので、バート・バカラックが好きです、と答えると、
それではと一番最初に唄ってくれたのは、まるで見透かしたように僕が最も好きな曲の「Alfie(アルフィ)」をマスターとデュオで演奏してくれました。
当然、大いに嬉しくなりました。
演奏も良いしムードが良い。で、おまけに会計が安い。
旅の疲れが癒され、ほっこりした気分でリラックス出来ました。

●COMBO
http://www.f2.dion.ne.jp/~combo/
民家を改造したようなライブハウスで、マニアックな雰囲気。
こだわったジャズ好きな方が集まる雰囲気だ。

●Stella
http://www.nakasu-info.jp/d_detail/387.html
こぢんまりとした空間にアプライトピアノ、年配のマスターと女性スタッフで対応してくれる
アットホームな雰囲気。マスターの優しいピアノの音が心地良い。

■2日目 <4月9日(金)> 博多~鹿児島~指宿~鹿児島 走行約400km

すっきり眠ってさわやかに目覚めた朝、ホテルで軽く朝食をとり、10時博多出発。

さあ一路、鹿児島・指宿温泉砂風呂へ!
ちなみに、砂風呂は、昔からテレビなどで見てその存在は知ってはいるけれど、もちろん未体験で興味津々。
じんわり暖かい砂の中に埋もれている図を想像しただけで、いつも痛い肩や首がほんわかと癒されていくようでした。

はやる心を抑えて出発するとあいにくの曇り空。
パッパと出発し、博多ICから都市高速に乗りすぐに福岡ICへ。
久留米を経て広川SAで給油したのが11時半くらい。
ちょっと早いけどここで昼食にしようと目にとまったのが、鰻のせいろ蒸し。
九州と鰻は何も関連が無さそうだけど、単に僕が好物なんです。
関西ではドンブリが主流で関東ではこのせいろ蒸しのスタイルが多い事は知っていて、
そうか、この辺りは関東の食べ方の文化なんだな、など思いつつ。

お腹もいっぱいになって、そうだ指宿に直行する前に、鹿児島で料理店を営んでいる知り合いを突然訪れびっくりさせようと思いつき、事前に調べておいた住所でナビをセット。
その知り合いとは、5年ほど前まで甲子園界隈で和食の料理店をされていたマスターで、
故郷である鹿児島で理想の店を開くのだと去っていったきりでした。
でも、会えば楽しい話が尽きない友達です。
どんな顔するかな、びっくりするやろな、など、サプライズにワクワクしながら出発。

広川からはもう熊本の景色。
左手に阿蘇近隣の雄大な山々の景色を見ながら走ることたっぷり1時間半くらい。
高速道路とはいえ、この大きな自然のパノラマをしばし満喫。
続いて宮崎、えびの高原にさしかかると、道路はすっぽりと山間部に抱かれて、空気がまた素晴らしい。

ほどなく目的地の加治木JCに到着。
インター降りてから5分ほど、あっという間に友人の店に到着しました。

まず、その店のロケイションにびっくり!感動!
その場所は、谷間の中にあって木々に囲まれた広い土地一面に建物があり、何といっても日本の名滝に選ばれている滝が、すぐ近くに落ちている事でした。
店の窓から手の届きそうなところにある滝から、
ものすごい迫力と、マイナスイオンが部屋中に伝わってきます。

そして友人との再会。
他にお客様もなく奥様と二人で準備と仕込みの最中、驚く彼としばし再会を喜び合い、
懐かしい話に夢中になり、用意してくれたお蕎麦を頂きながらくつろぎのひとときを過ごしました。

外へ出てみれば、滝のごおーという音が心地よく、大きな音なのに邪魔にならないものだな、いい音だなと、
いつまでも聞いていました。
建物には2階があって、そこは宴会場兼、宿泊も出来るようになっており、
都合がいいことにすぐ横には公営の温泉がありました。
泊まっていってよ、いやイブスキや、そんなんえーやんか、などなど、
引き止めてくれる彼としばし押し問答を繰り返し、ここは初志貫徹。
旅の折り返し地点は「指宿」なんだから!
雨がポツポツ降り始めた頃、背中を押されるようにまた出発しました。

●流る茶寮  いち禅
http://restaurant.gourmet.yahoo.co.jp/0006538948/
ここは素晴らしい場所です。また是非、皆を連れて訪れたいなと思いました。

加治木ICからあっという間に鹿児島ICに着き、そこから雨の中、地道で約40分ほど。
ようやく到着、指宿温泉地!!
まずは温泉街を目指し、そこで目にとまった大きめのホテルにバイクを止め問い合わせてみる。
1,050円で砂風呂に入れますよというので、即、決め。
海沿いに建った横長のそのホテルは、入り口から下階に降りるような造りになっており、
一番下の浴場は海辺という設定だった。
浴衣をほいと渡され、着替えていざ浴場に行ってみたら、素晴らしい景色!
ここへ来てようやく、この旅でカメラを忘れてきた事に気づいた僕の心残りは、砂に埋もれた状態で自分を撮影してくること。
まぁいいか。
みなさんにお見せ出来ないのは残念だが、心のアルバムへ刻んでおくだけとしよう。

さあいよいよ砂風呂。砂をオジサンからドサドサかけられて、とたんにじんわり伝わってくるぬくもり。
これは気持ちええなあ。
あれこれ思うまま、ゆっくり考えにふけるのを楽しみにしていたのに、あまりの気持ち良さで、そのままぐっすり寝てました。どうぞお好きなだけ寝てて下さいよ、というオジサンの言葉が遠くなる。
でも、20分もしたらあまりの熱さで目覚め、少し離れた場所にある砂落としの海岸沿いの露天風呂へ。
浴衣のままドボンと飛び込み、すーっと汗がひいて極楽極楽。。
この快感がたった1050円。
なんてリーズナブルな!!
1時間ほどの目的地満喫でしたが、もう大満足でした。

時刻は午後6時くらい。
辺りはまだ明るかったけれど、雨の中、地道で再び鹿児島へ向かいました。
わざわざまた戻る理由は?
もちろん、夜、快適に眠るホテルと、ちょっとした夜の癒し時間の為に。

1時間ほどで鹿児島の都心・天文間へ到着。
適当にホテルにチェックインして、シャワー、着替え、そして夜の鹿児島の街へ。
鹿児島なんてどんな街かなと思っていたら、なんの。
大きな街、完全に都会。
東北の時の感じた事ですが、もう日本のどこにも田舎なんて無い。
というか、どこにだって都会は存在するんです。
都会、というのは、感性ある人種が集う場所であってほしい。
そんな想いを込めて、いつも僕は夜の街を探索するのが好き。

ホテルのフロントでおすすめの店などの情報を仕入れ、すぐ近く薩摩黒豚の店でフィレとんかつをディナーに。
別段、感動するような事は無いにしろ、非常に美味しかったし安かった。

2件目もホテルから聞いたお薦めのバーを訪ねてみた。
なんと思いっきり素敵な空気を放ってるじゃないですか。
ガラス越しに見通せるその店は、オーセンティックなスタンディング・バーで、細長い店の横一列にカウンターがあり、マスターが一人で仕事をしていました。
濃い茶色のトーンで統一されていて、トラディショナルで落ち着く内装で、驚くのは店のエントランスに古いDUCATIが飾ってあるのです。
おお、これは趣味がますます合う予感。
そして、ガラス越しにみえるお客さんの雰囲気もなかなか素敵な雰囲気に見えました。

中に入ると並んでいるモルトの趣味もいいし、さらにシガーや音楽もいい。
聞くと、マスターが好きなものを色んなところから取り寄せているとの事だった。
40代くらいに見えるそのマスターの趣味や好きなものに対してひたむきな感じも含めて、
僕は色んな意味で、大変気に入りました。
遠く離れたこんな場所でも、自分と同じような人種が居るのだと、改めて感じ嬉しくなりました。
今宵はジャズライブの店には出会えませんでしたが、とても気分のいい時間でした。

●Bluesy Tavern
http://www2s.biglobe.ne.jp/~zodiac_g/tavern.html
随所に感じられるこだわりが心地良く何時間もゆっくり出来そう。

■3日目 <4月10日(金)> 鹿児島~西宮 走行約900km

天気は快晴に変わり、9時半には出発。
東北の時と同様に、もちろん今日で一気に西宮まで走りきるつもりです。
ちょっと気合いが入ります。
鹿児島ICに10時くらいに乗り、そこから広川SA、広島SAと2度の給油をして、ひたすら走る。
岡山を越え兵庫県に入ったところで、このバイクの走行距離がちょうど1万キロを超えました。
去年このバイクを購入してから一年ちょっとです。
あまり乗れていない割には、いいペースで距離が積もりました。
約10時間ほど、ほぼぶっ通しで走り、西宮に到着したのは午後9時半くらいでした。
疲れはあまり無かったですが、肩がカチカチに固まってしまっていました。
お土産をパニアから取り出して、みんなが待つ店に帰りつきただいま。
今回もご声援、みんなありがとう。

■まとめ

去年の東北秋田、そして南九州指宿ツーリング、
北に南に極端に走ったわけですが、この日本には田舎は無いんだなとまた実感。
自分が知っている時代よりもずいぶん進化して、
どの街もそれなりにお洒落な都会になっているのだと、この肌で感じました。
今回の旅で出会った方は皆、お洒落で、また感性豊かな方々でした。
自分の住まう土地は一応、都会のカテゴリーには入るのですが、
だからといって、井の中の蛙にならないように、やはり色々見て回り、感じる事が重要なんだと思いました。
どうやら僕の一人旅は、景色や風景、お土産などよりも、人間関係の中で生まれる文化に触れたいようです。

次の旅は四国一周の予定です。
剣山に行ってみたいと思うのです。
また次回もお楽しみに。

Mr. JIB & 晩白柚
Mr. JIB & 晩白柚

 

旅の写真が、一枚もなくてごめんなさい。
無事帰ってきてから撮ったお土産の晩白柚(バンペイユ:直径が25センチほどの巨大な柑橘類)です。これってどうやって持って帰ってきたの?どうやって食べるの?なんて、みんなにわーわー言われながら。

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東北・ソロツーリング <前編>

■突然、旅だったわけではないんです。

さて、僕がAdventureというバイクを手に入れたお話は以前しましたよね。
還暦、赤いちゃんちゃんこの代わりに赤いバイク、というやつです。

今年の春からこの秋まで、ひたすらずっとヨットが中心の時間を過ごしてきましたが、
僕の心にはいつもバイクの灯りも種火のように消えずにありました。
それが、この旅なのです。
一人馬を駆り見知らぬ土地へ旅する、これこそこのビッグオフに似合うツーリングスタイルだと、
最初からイメージが出来ていました。
僕は久々のヨットに夢中になりながら、このイメージを現実のものにすべく、
今か今かとタイミングを見ていました。

また、僕はたいてい、日本中の色んな場所に行っています。
でも、東北地方だけは、今まで訪れる機会がありませんでした。
関西の方ならおそらくそんな方は多いのではないかなと思います。
飛行機やフェリーが使える九州や沖縄より、きっとずっと遠い存在なのでしょう。
日本人でありながら、都道府県の全ての地を踏んでいない事実。。。
これを解消するのが、僕の目標でした。

この二つの目標達成を果たすという目的は、もう今を逃せば難しいという季節になった今、
遂に決行する運びとなったのです。

■みちのく一人旅の掟

僕が決めたルール、それは

1)11月4日から7日までの4日間の予定で
2)バイクで走るのは日暮れまで、そしてそこで泊まる
3)1日のノルマ走行距離は600km(目標!)

という事でした。したがって一切、予約はしない。
何て贅沢な自由な響きでしょう!
でも、泊まるのは美しい山々に囲まれた温泉旅館ではなく、都心のなるべく設備のいいシティホテル。
理由は簡単。
温泉旅館は都心から離れていて、夜が退屈です。
ホテルの場合、食事にしても選択肢が広いし、バーに行けば、土地の人から色んな情報を得ることができます。

そして、何と言っても
「一人旅」
これが最高です!

いつものように、先導して道や他のメンバーを気遣う事もない、
気を遣うのは、自分のバイクの安全運転だけです。
自由な旅の快適さは、自由にどこまでも行きたいというヨットの旅のモチベーションと似ています。
夜にせよ昼にせよ、いろんなハプニングがあります。
それもまた、楽しみの一つ。
最終目的地は青森県の十和田湖へ、
いざ出発!

■1日目 <11月4日(水)> 西宮~富山 走行約370km

この日は、その週頭にきていた寒波も緩み、穏やかな晴天。
空はこの上なくすっきり透明な青空、まさに旅立ちに相応しい天気の中、
両方のパニアにざっくりと荷物を詰め、ナビをセットし、西宮を昼の12時スタートしました。

名神西宮ICから勢いよく向かったのは、彦根のバイク用品屋さん。
ツーリング用のパンツを一本調達するつもりがお店の定休日。
やれやれ。

気を取り直して米原まで走り、そこから北陸道へと乗り継ぎます。
福井、金沢と走り抜け、快調に走り続け、
4時くらいになると、早速夕暮れの気配が漂い始めるのです。
少し北の国に来たのだなという思いや、冬が近いのだなと感じる一日時間のスピードです。
西宮から遠く離れてきた事を実感させてくれます。
うわ、この辺は日が暮れるのが早いな、と思い始めた時まさに、
ふと、北アルプスの山の景色が目の前に横たわり、はるか前方に見える立山連峰の冠雪部分が、濃いオレンジ色に輝き始めたのです。夕陽が反射してそれを、雪の白い部分が受け止めて反射しているのです。三千メーター級の山々のが目の前に広がり一斉に輝き出し、それらがどんどん近づいてくるのです。本当に例えようもなく美しい光景です。
ヨットでも今までさんざん素晴らしい夕陽を見てきましたが、この雄大な景色はまたひと味違う素晴らしさです。
なにぶん走行中でしたので、写真も何もないのですが、例え写真を撮っていたとしても伝えきれないでしょう。兵庫県では味わえない、至福のひとときでした。

そしてそのまま、誘われるように富山の町へ降りたって、この日の滞在地となったのです。

さあ今夜は以前から印象の良い富山の町で、美味しい海の幸を食べるのだ!ということで、
まずは市内のホテルの界隈まで直行し、5時過ぎにはホテルにチェックイン。
スタートが遅かったのでこの日はそんなに距離を稼げませんでしたが、焦っても仕方ない。
もう心は北陸のご馳走村へ!

少し休憩したあと、ブラリ飛び込むのは当然、地元の魚料理の店。
何となくどことなく、看板を見て、会話の出来そうな感じのお店を選びます。
白エビ、甘エビetcetc…、僕の知っている富山の町の海の幸が、生唾を誘います。
まぁこの辺りでは、何度か来た経験上では、海鮮フードでのハズレ無しです。
たいがい、満足のいく美味しいものと出会える町です。

その後は、忘れてはいけないジャズのライブハウスへ行き、地方なりの夜の楽しみを満喫。
(『Cotton Club』というライブハウスでした)
その後は続けて、今年のヨットレースで一度富山に来た時に訪れたバーへ。
(『meine』という素敵なバーです)
お客様同士が楽しんでいる雰囲気が心地よい、地方のゆったりした夜を楽しんだのです。

今日は走行距離が400kmにも満たず、ノルマ達成ならず。
しかしソロ・ツーリングの気楽さと開放感、それに走行距離から、本日の疲労感はほとんど無し。
明日から早く出発して距離を稼がねば、と思いつつ。

■2日目 <11月5日(木)> 富山~盛岡 走行約680km

朝7時30分に起床し、ルームサービスで朝食。
人がざわざわ居る場所で食事というのが、どうも苦手な性分で。
ちなみに、ホテルの朝食の定番、コンチネンタルブレックファーストというやつです。
旅の疲れを癒し開放感を味わうのに相応しい、今どきの若者風に言えば、朝の「プチ贅沢」の後、
早々8時30分にスタートしました。

日本海を左に見ながら北陸自動車道を北へひた走る。
午前中に新潟を通過しないとと思いながら、延々と続く海沿いの道はなかなか走りごたえがあるものです。また、いつもの冬の日本海の、どこかもの淋しい独特の景色とは違って、この日は穏やかでとても気持ち良く走行出来ました。

11時には新潟のジャンクションを過ぎ、磐越自動車道へと乗り継ぎ、横に短い日本列島をしばし横断です。
本当に、山の中をまっすぐ横断するように、山、山の景色です。
両脇にはススキがゆらめき、あっという間に会津若松まで走り、
ちょうど昼頃、福島県の会津磐梯山のふもとのサービスエリアで昼食をとりました。

会津磐梯山とGS:背景にうっすら見えているのが会津磐梯山
会津磐梯山とGS:背景にうっすら見えているのが会津磐梯山

会津富士と言われるだけあって、磐梯山はなんとも整ったデザインの山です。
そうそう何度も出会えないだろう景色が、高速道路の両脇にパノラマのように続きます。
いちいち感動なんてしている余裕はなく、ただただ、目標に向かってまっしぐらに走るのみ。

でも、ちょっと変な景色とも出逢いましたよ。
磐越自動車道に入ってすぐに、メリーゴーランドが出現。
こんな田舎で一体誰が乗んやろか、というような場所で。
あと、会津若松付近では、巨大な観音様と出逢いました。淡路島にあるようなやつです。
自然のものだけでいい景色の中に現れた、いかにも作り物っぽい雰囲気に、ちょっと興ざめ?です。

さて、ここからいよいよ本州の北へと一気に目指す事になるわけですが、天気予報を聞いているとどうやら目的地方面の雲行きが怪しくなっているようです。当初の予定では、日本海沿いに山形〜秋田〜青森と走る予定でしたが、あいにくその方面は雨ということなので、太平洋側にコース変更。
やっと、青森へ続く道、東北道に乗り継いだのです。

福島、宮城、岩手とただただ変わる北の景色を見ながらひたすら走り、次は靑森、いよいよ靑森と思いを馳せながら。

ちょうど花巻を過ぎた午後4時過ぎ頃、今日は盛岡泊かなと考えていると、いきなり激しい雨に降られてしまい、びしょびしょに。高速道路走行中のため、カッパを着るタイミングなどあるはずもなしで。まあ、ツーリング中に濡れるのはつきもの。これも楽しいエピソードと思いつつ。
やはり北の国は季節はもう深い秋、すれ違うバイクなどほとんどありません。
もうここで今日の旅は終わりにしようと5時ごろ盛岡に到着。
雨の中、市内へホテル探しに直行!
市内で一番最初に見つけたホテルへ飛び込んで、チェックインを済ませたのは6時前くらいでした。

ボトボトに濡れたウェアを脱ぎ捨て、ハンガーにかけエアコンで乾かし、
自分もしばらく休み、まずはひとごこちつかせ、まもなく市内を散策にサッと出かけたのです。

今日はだんぜん、東北の郷土料理を晩飯に!と思っていたのですが、
やはり「ある理由」から、今日も寿司屋を探す事にしたのです。
初日と同様、何となくどことなく良さそう、というのを、お店の看板や雰囲気から判断し、
天然の嗅覚で飛び込んだ店は、たいていハズレはありません。

しかし店内では、僕が一言喋ると、店の人やお客さんが「関西からですか?」と近寄ってきてもう大騒ぎ。
すぐにその場は盛り上がり、あっという間にうち解けてしまいました。
それに、店の中は東北弁であふれ、なんともいえない暖かい空気なのです。
東北弁を真似したくっても、もうどうやっても僕には真似出来ないから残念なんですが、
大人も若い人も、みんなあのズーズー弁なんですが、それがなんとも心地よいのです。
関西にとても興味を持っているアルバイトの女の子も居て、僕にあれこれ話しかけてくるんです。
ちなみに、とっても美人の女の子でした。
これって、東北美人というのでしょうね。

そこでも、盛岡のバーやジャズスポットなどを尋ねてみると、親切なお客さん達がお店まで案内してくれるのです。それらはいずれもなかなか素敵なバーでした。
そして時間の許す限り、ハシゴもしました。

余談ですが、その中で出逢った女性はみなさんどういうわけか、とても美人でした。
東北は美人が多いという話は本当でした。
それに、東北弁はとても癒される方言だなと感じました。

ちなみに「ある理由」というのはもうお判りですね。
お寿司屋さんというのは、注文する度にコミュニケーションが必須のスタイルです。
会話なくしてなりたたない、確実なお食事処が、寿司屋です。
初めての土地へ行き、情報を得たいならば、行く場所は寿司屋と決まっています。
みなさんも良ければ参考にして下さいね。

( 続きは <後編> 3日目・4日目へ )

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