月別: 2007年4月

受験生ブルース

ヨットと出逢った春から、あっという間にその年の夏が過ぎました。
僕は、ほとんど毎日ヨットの練習に明け暮れ、自分の腕もだんだん上がってきたように思えました。
そうして、重い北西の季節風が吹く冬の頃になっても、
僕は相変わらずヨット、ヨットの毎日でした。

北西の季節風はぐわぁーっと、とにかくパワーのある風です。
海上は全体的に波が大きくなり、白波が立つ状態です。
夏の走りとは別格の、とにかく豪快な走りに変わります。
バウ(船頭)から波がドーンとデッキを洗う。波はあちこちにぶつかり、自分の体にも当たる。
時には直接波を頭からかぶることもある。
当時の貧相なカッパごとしでは、あっという間に体の中まで濡れる。
そうやってずぶ濡れになっても練習が楽しく、
アドレナリンが出る、というのか、変に興奮する感じで楽しいのです。

冷たい風で手がかじかむと、その手を海に浸けるのです。
12月いっぱいぐらいまでなら海水があたたく感じ、また、気持ち良いのです。
冬の海は厳しい自然と向き合う事を避けられないのですが、
都会の生活だけでは体験する事の出来ない、不思議な発見もありました。

そうや、僕は受験生やった!
しまった!!

・・・と思っても、もう遅い。
もう一回浪人やなあと思い、ちょっと暗くなりました。

親には大変申し訳ないと思いました。
巷では、なんやら僕にぴったしな曲が流れていました。
高石友也の受験生ブルースです。

大事な青春無駄にして
紙切れ一枚に身をたくす
まるで河原の枯れススキ
こんな受験生に誰がした

若き日の Mr. JIB - 受験生時代
若き日の Mr. JIB - 受験生時代

歌詞の一部です。こんな歌を聞いてると、何が良いのかわからなくなってきました。

 

僕の生まれた1949年はいわゆる”ベビーラッシュ”の年。
そう、『団塊の世代』というやつです。
今思えばどうしようもなく暗い歌ですが、当時の風潮にはぴったりと合っていました。

本当に大切な事は何か?
役に立たない公式や年号を覚える事か?
少なくとも今の僕にとっては、天気図やロープワークを覚える事の方が重要じゃないのか?

そんな想いの中、僕のヨット生活は続きました。
ヨットに乗ると受験の事は完全に忘れてしまっていました。
しかし、周りの先輩はヨットの中で勉強させるのでした。
僕が受験生ということを思い出させてくれたのです。
親切?
しかしそれは焼け石に水。
もちろん、ヨットの中で勉強なんて、全く出来ませんでしたけど(笑)。

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